仏様に囲まれて

 

 

現代は人間の平均寿命が延びています。世界最長寿人物の記録はフランス人の女性ジャンヌ・カルマン(122164日没)という方です。

 長寿の方は戦争など様々な激動の時代を乗り越えてこられた。今ももちろん大変な時代ですが戦前と戦後でいいますと180度社会制度が変わり、その中でたくましく歩み抜かれた結果が今日の時代を築きたあげたことと思われます。

 しかし人の死というものをよく考えてみると、死ほど広大な愛を語りかけて来るものは無いと思われます。生きているうちは憎いことや嫌な思いもすることもありますが、亡くなって始めて本当の慈悲に触れるのでは無いでしょうか。親の死。子供の死。死なれて単に悲しいとか寂しいだけでは無しに、ひっくり返して教えられるものがあると思います。

 どれほど愛しく・哀れだ・不憫だと思っても、人生はこれ以上でも無ければこれ以下でも無い。これが人生の事実なのです。死という形を通して生命を捨てるという形を通して教えてくれるのが死というものなのでは無いでしょうか。人間にとって死こそ愛の最高の表現だといわれる意味もそこに有るのでは無いかと思います。

 死なれて始めて親のありがたみが分かるといわれますが人の死というものが悲しいだけで終わらずにそこに新しい人生の目がひらかせていただく機縁となるものだと思います。私達より先に仏となってゆかれた多くの方が現実という事実をしっかりと受け止めてみなさいよと語りかけて下さっている。そして真実の慈悲を持って私達を護り育んで下さっている。そういう仏様に囲まれて私もこの一日を歩まさせていただく。そう教えられることであります。

 

合掌